マザーボートの故障を引き起こす原因と故障時に出る症状について

マザーボートは、パソコンパーツの中でも特に重要度の高いパーツとなります。したがって、できるだけパソコンを長持ちさせたいと考えるのであれば、マザーボートの故障を引き起こしてしまう使い方や、マザーボードに不調が生じた場合、どのような症状が出るのかを押さえておいた方が良いでしょう。
そこでこの記事では、一般的に、マザーボードの寿命を縮めてしまうと言われる故障原因や、実際にマザーボードが故障してしまった時に生じてしまう症状をご紹介していきます。
マザーボードの故障原因について
それではまず、パソコンの重要パーツの一つであるマザーボードについて、このパーツが故障してしまう代表的な原因をご紹介していきます。一般的に、マザーボードの故障は、以下のような要因が考えられます。
- ・寿命
- ・温度
- ・ホコリや湿気
- ・破損
それぞれの要因についてもう少し詳しく見ていきましょう。
①寿命
マザーボードの故障原因として最も多いと言われるのは、機器としての寿命です。どのような機械にも寿命というものがあるのですが、マザーボードにも当然寿命はあります。
マザーボードの寿命を決める要因については、電気を蓄えるために搭載されているコンデンサで、凡そ3~5年程度がこの部品の寿命と言われています。新品のパソコンを購入して、3年以上経過すれば、一般的には何時不具合が生じてもおかしくないと考えなければいけません。
また、故障とは少し違うのですが、ボードにはボタン電池がつけられているのですが、この電池も同程度の期間で消耗してしまい使えなくなります。なお、電池切れによる不具合であれば、電池を交換すれば普通に使用できるようになります。
②高温や低温など、温度
パソコンは精密機械ですので、極端な温度変化には弱いということは皆さん理解していると思います。特に、『熱暴走』などという言葉があるように、高温に弱いというイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?
実際に、マザーボードなどに取り付けられているチップなどは、熱に非常に弱く、パソコン本体には、必ず冷却装置がつけられていて、使用中は常に熱が逃げていくようになっています。マザーボードなども、冷却不足になると、故障リスクが一気に高くなるので、冷却ファンの状態などは常に注意しておきたいものです。ちなみに、上述したコンデンサに関しては、温度が10℃上昇してしまうと、寿命が半減してしまう…と言われるほど繊細です。
そして、あまりイメージが無いと思うのですが、パソコンは、温度が低すぎる環境にもあまり強くありません。そもそもコンデンサの機能と言うのは、蓄電なのですが、低温になればなるほど、蓄電能力が落ちてしまう訳です。こういったことから、真冬の特に寒い日などは、電源ボタンを押しても、起動に必要な電力が供給できないことから「電源が付かない…」なんてことになってしまうことが多いのです。なお、この問題に関しては、室温を10℃以上に高めることで問題なく使用できるようになるはずです。
③ホコリや湿気
ホコリがパソコンの天敵だということは皆さんも理解していますよね。ホコリは、パソコン内部の温度を高めてしまうことや、パーツに付着することでショートなどを引き起こしてしまう危険があります。さらに、湿度の高さもパソコンにとってあまり良い事ではなく、パソコン内部に湿気がこもってしまうと、金属の腐食やショートなどを引き起こす原因になってしまいます。
ホコリは、パソコンの設置位置に注意することや定期的に掃除することで除去できます。湿気については、適度にパソコンを立ち上げることで、内部が喚起されるので普段あまり使用しないパソコンでも定期的に電源を入れるようにしておきましょう。
④物理的な破損
これは、使用者のミスなどで、パソコン本体に水をこぼしてしまう、高い場所から落としてしまうなどと言ったことで、物理的に破損してしまうという状況です。
なお、このような人為的ミスが無くても、近くで落雷があった際、急激に高い電圧がかかることで故障してしまうというケースもあるようです。中でも、電源ユニットとマザーボードは落雷の影響を受けやすいと言われているので注意しましょう。
マザーボードの故障症状とは
それでは、マザーボードは何らかの要因で故障してしまった…と言う場合、どのような症状が出るのかもご紹介しておきましょう。故障症状を知っておけば、パソコンの不調を感じた時に、自分で対処できる問題なのか、専門業者に相談すべきなのかが即座に判断できるようになるので、スムーズに次の行動がとれるようになります。
電源が入らなくなる
マザーボードの故障症状として、最も多いと言われるのが「パソコンの電源が入らない…」と言うものです。パソコン本体の電源ボタンを押したのにもかかわらず、電源ランプすらつかない…と言う場合、マザーボードの故障が疑われます。また、電源ランプはつくもののそこから先に進まない、一瞬ランプはつくけどすぐに消えるといった場合も、マザーボードの問題かもしれません。
こういった電源に関する問題に関しては、数回電源ボタンを押していれば起動するといった状態であれば、「使えるし放置しても問題ない」と考えてしまう方が多いです。しかし、マザーボードの故障は、ある日突然表面化し、そこから急速に悪化していくというケースが多いので、パソコンが使えるうちに専門業者に見てもらうのがオススメです。
BIOSが起動しない、画面が映らない
マザーボードの故障では、電源は入るものの、そこから先に進まない…と言う症状も多いです。
特に、パソコンの電源を入れて、最初に起動されるプログラム画面手前で止まってしまう…と言うケースは、マザーボードに何らかの問題が生じていると考えましょう。BIOSは、OSが立ち上がるまでのプロセス管理を担うプログラムで、マザーボード上のチップにその情報が書き込まれています。つまり、マザーボードに何らかの障害が起きると、起動途中に止まってしまうという症状が出るわけです。
画面については、電源が入り真っ黒な画面のままという場合は、モニターそのものの故障やグラフィックボードの故障も考えられます。しかし、画面が砂嵐のように割れた状態になっているというケースは、マザーボードの問題の可能性が高いです。
電源を入れるとビープ音が鳴る
ビープ音は、「ピーピー」というような音で、機械が何らかの警告のために鳴らす音を指しています。そして、パソコンに何らかの問題がある時には、起動時に音で異常を知らせてくれるような機能があるのです。起動直後にビープ音が流れた場合、マザーボードに何らかの異常が出ている可能性が高いです。
なお、ビープ音の種類やその回数で、異常の種類を教えてくれています。したがって、マザーボードのメーカーサイトなどで、ビープ音の意味を調べてみると良いでしょう。
頻繁にフリーズする、電源が落ちる
パソコンを普通に使っている状況で、頻繁にフリーズしてしまう、あるいはいきなりパソコンが落ちてしまうというような現象がある場合も、マザーボードに何らかの障害が出ているケースがあります。
ただし、この症状に関しては、マザーボードだけでなく、さまざまなパーツの故障でも同様の症状が出てしまうので、マザーボードの故障確率が高いとまでは言えません。まずは、専門業者に点検してもらい、どのパーツが原因なのか特定してもらうと良いでしょう。
まとめ
今回は、マザーボードの故障原因や実際に故障した時に生じる症状をご紹介してきました。マザーボードは、その名称からも分かるように、パソコンパーツの中でも特に重要なパーツの一つと言える部品です。したがって、この部分に何らかの問題が生じてしまうと、パソコンを通常利用できなくなってしまう可能性が非常に高くなります。
なお、この記事でご紹介したように、マザーボードの故障を引き起こしてしまう要因は、日頃から注意しておけば未然に問題を取り除けるケースがほとんどです。つまり、日頃の使い方や掃除などのお手入れを小まめに行っていくことが、マザーボードを長持ちさせるコツと考えておきましょう!