CPU故障時に生じる症状と、出来るだけ寿命を延ばすための注意点について

今回は、パソコンパーツの中でも、非常に重要度の高いパーツであるCPUについて解説していきたいと思います。
CPUは、パソコン内のハードウェア・ソフトウェアから受け取る指示を処理するといったパーツで、人間に例えた時には『脳』のようなものに例えられるほど重要なパーツになります。人間に脳が無ければ何もできないのと同じように、パソコン内のCPUが故障して、正常に動作しなくなると、パソコンそのものが起動しない…など、致命的なトラブルが発生してしまいます。
そこでこの記事では、パソコンパーツの中でも特に重要なCPUについて、このパーツが故障してしまった時に、どのような問題が生じてしまうのか、またできるだけこのパーツを長持ちさせるための対策について解説していきます。
CPUが故障した時に出る症状について
それではまず、パソコンの脳にあたるCPUについて、このパーツが故障してしまった時に生じるさまざまな症状をご紹介しておきます。非常に重要な部品となりますので、CPU故障時の症状は多岐にわたり、中には他の部品故障時と似たような症状が出るケースもあるので、以下の症状は頭に入れておくのがオススメです。
フリーズが起こるようになる
一つ目の症状は、パソコンを使用している際に頻繁にフリーズするようになる…と言うものです。普段通りの使い方をしているだけなのに、頻繁にフリーズする…と言う場合、CPUに不具合が生じている可能性があります。フリーズとは、何らかの作業を行った時に、その動作が著しく遅くなったり、同じ画面で固まってしまい、動かなくなってしまうことを指します。上述したように、CPUは人間でいう脳にあたるもので、さまざまな命令を処理していくというパーツです。これに問題が出ると、処理能力が低下してしまい、動作がフリーズしてしまう訳です。
注意が必要なのは、パソコンがフリーズするという症状については、さまざまな理由で起きるケースがあるということです。例えば、新たなアプリケーションを導入し、それを利用しようとするときにフリーズする…と言う場合、故障などではなく単にパソコンのスペックが足りないという可能性もあります。他にも、負荷の高い作業を行う、パソコン内に保存しているデータが多すぎるといった場合でもフリーズがおきやすくなるので、あくまでもそういった問題が無い状態で「普段通りの作業」を行っている時のフリーズに限ると考えてください。
使用中に勝手に電源が落ちる
CPUが故障してしまうと、パソコンの利用中に、勝手に電源が落ちてしまう…と言う症状が出るケースもあります。例えば、CPUが熱を持ちすぎた場合、パソコンの電源が勝手に落ちてしまうのですが、これは「それ以上高温になるとCPUが完全に故障する…」ことから、CPUに搭載されている安全装置が働き電源を落とします。
つまり、急に電源が落ちるといった症状については、CPUはまだ故障していなくて、安全装置が働いているケースも考えられます。本来、安全装置があることから、CPUそのものは故障しにくいパーツでもあるのです。ただ、電源を入れたばかりで、そこまで熱を持っていないのに電源が落ちてしまう…なんて場合は、何らかのパーツがすでに故障していると考えられます。
パソコンが起動しない
パソコンを起動させるためには、最低限『CPU・電源・マザーボード・メモリ』と言ったパーツが必要です。逆に言えば、これらのうちどれか一つでも故障していれば起動することはありません。つまり、CPUの故障時には、パソコンの電源ボタンを押しても起動しない…なんて症状もあるのです。
ちなみに、HDDなどが故障している場合でも、正常に起動しなくなるのですが、CPUの故障の場合は、画面に何も映らないので、それで判断すると良いでしょう。パソコンの電源を入れても、画面すら映らず、正常に起動しない…と言う場合は、CPUの故障を疑いましょう。
ビープ音が鳴る
『ビープ音』は、パソコンの不具合を知らせる警告音のことです。CPUに問題があった場合も、パソコンからビープ音が鳴るようになっています。ちなみに、ビープ音はBIOSやパソコンのメーカーによって多少意味の違いがあるので、注意しましょう。ここでは参考に、Dell製のパソコンについて、ビープ音が何を意味するのかをご紹介しておきます。
- 1回⇒マザーボード・BIOS ROMの障害の可能性
- 2回⇒メモリ(RAM)が認識されない可能性があり
- 3回⇒マザーボード・チップセットのエラーや障害
- 4回⇒メモリ(RAM)の障害の可能性あり
- 5回⇒リアルタイムクロック電源の障害
- 6回⇒ビデオカード・チップの障害の可能性あり
- 7回⇒CPUに障害がある可能性あり
上記のように、ビープ音の中にはCPUの故障を知らせるものもあるのです。このビープ音は、パソコンメーカーなどによって異なるので、詳しくが使用しているパソコンの公式サイトなどで確認しておきましょう。
CPUを長持ちさせるには?
それでは次に、CPUをできるだけ故障させないようにするための方法についても簡単にご紹介しておきましょう。上述したように、CPUはそもそもそこまで故障率が高い部品と言うわけではないのですが、このパーツが故障してしまうとパソコンが起動すらしなくなるわけですので、長く使用したいなら故障させないに越したことはありません。
CPUを長持ちさせたいと思う場合、以下のような点に注意しておきましょう。
パソコンの掃除は小まめに行う
CPUを故障させないためには、小まめにパソコン内部の清掃を行い、ホコリなどをきちんと取り除いておくというのが大切です。
これは、CPUは熱に弱いという特徴があるからです。上述したように、CPUが高温になると安全装置が働くなど、一定以上の高温にならないような対策が施されています。そして、CPUが熱を持つ原因は、パソコン内部にホコリなどが溜まってしまい、熱を持ちやすい環境になる事や、ファンにホコリなどが絡まり故障して冷却できなくなるといった理由が大きいです。
つまり、普段から小まめにパソコンの掃除を行い、ホコリにより熱を持ってしまうという環境を無くすことは、CPUの故障率を下げるという効果も得られるのです。
衝撃を与えないようにする
パソコンを落下させるなど、大きな衝撃を与えることも、CPUの故障に繋がります。したがって、ノートパソコンなど、持ち運びを前提にしているパソコンの場合、落とさないように気を付けるのはもちろん、持ち運んでいる時に不要な衝撃が入らないようできるパソコンホルダーなどを用意しておくのがオススメです。また、デスクの上で使用する際も、滑り止めなどを敷いて落下防止をするなども有効です。
デスクトップの場合、「落下の心配はないから関係ない」と考えるかもしれませんが甘いです。デスクトップについては、足元に設置していて、つい足で蹴って衝撃を与えるなんてことがあるので注意しましょう。また、転倒させてしまい衝撃を与えるなんてケースもあるので、基本的に足などが当たらない位置を探して設置しましょう。
オーバークロックをしない
オーバークロックとは、通常よりも高い電圧をかけてCPUの処理能力を上げるというもので、通常利用するよりもCPUの性能をアップさせるという裏ワザみたいなものです。ただ、オーバークロックは、消費電力が上がり、電圧などによってパソコンパーツに負荷がかかり、最悪の場合、発火してしまう…なんてこともあるようです。
CPUのオーバークロックは、使用者自らが設定しないとできないものですので、基本的にはオススメできないと考えておきましょう。
まとめ
今回は、パソコンパーツの中でも特に重要度の高いCPUについて解説してきました。この記事内でもご紹介しているように、CPUは人で言う脳にあたる機能を果たしているパーツですので、このパーツが故障してしまうと、パソコンとしての役割を果たせなくなってしまうと考えなければいけません。
もちろん、重要度の高い部品ですので、そう簡単に故障しないよう、安全装置なども用意されています。しかし、掃除を怠ってしまい、CPUが熱を持ってしまうような環境になったり、強い衝撃を与えてしまう…と言ったことをすれば、意外に簡単に故障してしまうパーツですので、その辺りは注意しておきましょう。