RAIDの基礎知識!よく使用されるモードの特徴を解説します!

今回は、近年よく耳にするようになってきた『RAID』の基礎知識についてご紹介していきたいと思います。皆さんの中にも、『RAID』という言葉は聞いたことがある…、見たことがある…という方は多いと思うのですが、このRAIDが「どのような場面に利用されるものか?」「どういったものなのか?」といった詳細についてはイマイチ分かっていない…という方の方が多いと思います。 簡単にRAIDを紹介すると、「複数台のHDDを1台のHDDとみなして運用できる技術」となります。通常、1台のパソコンに内蔵や外付けなどの方法で複数のHDDを接続したとしても、それぞれが別々のものと認識されますね。しかし、RAIDは「複数台のHDDを1台のHDDとみなして運用できる」、つまり何台ものHDDをまとめて管理することができるようになるのです。ただし、一口に『RAID』といっても、複数のモードが存在しており、どのモードを使用するのかによって得られるメリットが全く異なってしまいます。 そこでこの記事では、現在よく使用されているRAIDのモードごとの特徴について簡単に解説していきたいと思います。

RAIDの基礎知識について

それではまず、「そもそもRAIDとは?」という部分から簡単にご紹介しておきましょう。冒頭で少し触れたように、RAIDは「複数台のHDDを1台のHDDとみなして運用できる技術」です。 もう少しわかりやすく説明すると、2台以上のHDDを『仮想的』に1つのドライブであるかのようにパソコンに認識させる技術のことを指しています。そして、RAIDにもいくつかのモードが存在しており、どのモードを使用するのかによって「データの安全性が高められる」「処理速度の向上が見込める」など、得られるものが変わってくるのです。これからも分かるように、RAIDを構築する際には、自身(自社)の用途を事前にしっかりと考え、それに見合ったモードを選択することがとても大切です。 なお、RAIDの構築にはいくつかの注意点も存在しています。RAIDの構築を検討している方は、以下の点を理解しておきましょう。
  • ☑RAIDの構築に使用するHDDは、同一容量の物を用意する
  • ☑複数台のHDDを使用して構築するという特性上、物理的な故障やデータ読み書きの際のエラー発生率がHDDの使用台数分高くなる

よく使用されるモードとその特徴

それでは、複数のモードが存在する中で、特に代表的なモードとその特徴について簡単にご紹介していきましょう。上述しているように、選択するモードによってかなりの違いがありますので、この部分は絶対におさえておかなければいけません。

RAID1

まずはミラーリングなどとも呼ばれる『RAID1』からです。RAID1は、2台のHDDに全く同じデータを書き込むことで、どちらかのHDDに故障や不具合が発生した場合でも、もう1台のHDDからデータの読み出しができるようになるモードです。 このRAID1は、基本的にデータの安全性を高めるために使用されるモードなのですが、データ削除の際にはバックアップなどをとるわけではないということに注意しておきましょう。どちらか一方のデータを削除してしまうと、もう一方のHDDからもデータが削除されてしまうことになります。したがって、こういったミスを防ぐためには、特に重要なデータは、他の場所にバックアップを取っておくなどの対策が必要と考えましょう。

RAID0

次は『RAID0』についてです。このモードは、ストライピングなどとも呼ばれます。RAID0を選択した場合、2台以上のHDDにデータを分散して書き込んでいきます。パソコンで何らかのデータを書き込むと、RAIDコントローラーが自動的にそのデータを分割し、それぞれのドライブに書き込んでいきます。こういった特徴を持つことから、RAID0は処理速度の向上が主な目的となります。 RAID0の場合、処理速度が向上するという非常に大きなメリットがあるのですが、その一方で、ディスクの1台だけでも何らかの問題が発生した場合、全てのデータが読み取れなくなってしまいます。注意しましょう。

RAID5

次は『RAID5』と呼ばれるモードです。このモードは、データ復旧のために誤りを訂正する符号(パリティ)を生成しながら書き込みを行うモードで、特に耐障害性に配慮されているのが特徴です。 RAID5を選択した場合、複数のHDDへデータを分散して書き込みを行うことになります。したがって、RAID1よりも処理速度が高速になり、さらにパリティを生成しながらの書き込みですのでRAID0よりも安全性が高くなります。しかも、いずれか1台のHDDに問題が発生したとしても、データの読み出しが可能という特徴も持っています。ただし、2台以上のHDDが故障してしまうと、RAIDが構成できなくなりデータが消えてしまいます。したがって、デグレード状態(問題が起きている状態)に陥ったら、速やかに障害が発生したHDDを交換し、RAID環境を再構築しなければならないと覚えておきましょう。 なお、RAID5は、符号(パリティ)を生成しなければならないという特性上、3台以上のHDDの接続が必須となるのですが、使用可能なデータ容量はHDD1台分少なくなります。(1TBのHDD4台でRAID5を構築する場合、使用可能な容量は3TBになる…といった感じ) RAID5から派生した『RAID6』というモードがあるのですが、これはパリティを2重に生成するというモードになります。RAID6の場合は、2台までHDDに問題が発生してもデータ復旧が可能なのですが、ドライブ容量が2台分少なくなります。安全面をとるか容量を重視するかよく考えて決める必要があります。

RAID10

最後は『RAID10』です。このモードは、「RAID1」と「RAID0」を組み合わせたような特徴を持ってます。RAID10の場合、複数台のHDDをミラーリングすることで同一データの書き込みを行い、さらにストライピングも同時に行ってデータの分散化も行います。RAIDにあるさまざまなモードの中でも、高速処理と安全性を特に両立できるモードといわれています。 注意が必要なのは、RAID10を構築するには4台以上のHDDが必要になるのですが、ミラーリングとストライピングが同時に行われるため、使用可能なドライブ領域が接続したHDDの1/2になってしまうという点です。RAID10は、万一のデータ破損などに備える…と言う点では非常にオススメなのですが、容量面や4台以上のHDDが必要でコストがかかるなどといった点に注意しましょう。

まとめ

今回は、RAIDの基礎知識として、よく使用される代表的なモードとそれぞれの特徴について簡単にご紹介してきました。冒頭でご紹介したように、最近では『RAID』という言葉だけはよく耳にするけれど、実際にどのような物なのかはイマイチ理解できていない…という方が増加しています。RAIDは、複数のHDDを1台のHDDとみなして運用できるという技術で、非常に便利なのは間違いありません。 しかし、この記事でご紹介しているような、さまざまなモードが存在しており、どのモードで構築するのかによって得られるメリットが全く違ってしまうのです。したがって、RAIDの構築を検討した場合には、まず自身(自社)の用途を明確にするところからスタートしましょう。選択するモードによって、必要なコストなども変わってきますので、慎重に検討することがコスト削減にもつながります。

馬渕