意外と見落とされがちな「ハードディスクは消耗品」という事実!そもそも何が原因で壊れる?

今回は、パソコンのデータ保存を一手に担っているハードディスクの故障関連についてまとめていきたいと思います。

今の時代、仕事やプライベートで毎日のようにパソコンに触れているという方が多くなっていますが、日々使用しているパソコンについて「いつ壊れてもおかしくない!」という事実が頭から抜け落ちてしまっている方が非常に多いように思えます。我々のような、お客様のデータ復旧やPC修理をサポートする業者からすれば、「重要なデータはきちんとバックアップを取るべき!」と口を酸っぱくするほど忠告するものの、実際に小まめにバックアップを取るという習慣がある企業様は非常に少ないように思えます。

そこでこの記事では、業務で使用する重要データを保存するHDDについて、「そもそも寿命はどれくらいなのか?」またどの部分が故障してしまうのかについてご紹介していきます。

「ハードディスクは消耗品」という意識を持とう

近年では、HDDではなくSSDが記憶媒体として搭載されているパソコンが増えていますが、まだまだ価格の問題や容量の問題などもあり、HDDを採用するパソコンも多いです。さらに、多くのデータを取り扱う事業者であれば、外付けHDDを使用しているケースも多く、突然HDDが故障してしまう…という事態に陥ると非常に困ってしまうことでしょう。

それでは、多くの方が使用しているHDDについて、この機器の寿命がどれぐらいあるのかを意識している方はいるでしょうか?ほとんどの場合、HDDの寿命などに注意を払うようなことはなく、故障して初めて「どうすれば良いのだろう…」「保存しているデータはどうなってしまうの?」と焦ってしまう訳です。

まず皆さんに押さえておいてほしいポイントとしては、『HDDは、1日の稼働時間にもよるのですが、平均して3~5年程度が寿命』という意識を持っておくということです。この意識を持っていれば、3年程度使用したパソコンであれば、小まめにデータのバックをとるようになるのではないでしょうか?
なお、HDDの寿命に関しては、大まかに年数表示をされるケースが多いのですが、この年数は使用時間から換算しています。HDDの寿命目安を時間換算でご紹介すると「約26,000~35,000時間」と言われており、これからもパソコンの使用頻度によって問題が現れる時期が大幅に違ってくるということが理解できるでしょう。基本的には、重要なデータが多くなりがちな「パソコンの利用頻度が高い」企業ほど、相対的にHDDの寿命が早くなると考えられます。ちなみに、HDDの世界的な権威であるwesterndigital社(米)は「HDDの寿命は平均で5年程度」と紹介しています。日本のHDDメーカーは、もう少し安全を見て3~4年と紹介しています。

それでは、こういったHDDが使用時間や年数で寿命目安が紹介されるのはなぜなのでしょうか?HDDは、動作している所を目で確認することができないの、「故障するイメージがわかない…」と言う方が多いです。しかし、以下のような消耗部品が使用されていることから、使用する時間に比例して劣化が進んでしまう訳です。

HDDを構成する消耗部品について

HDDが使用時間を目安に寿命が紹介されるのは、4つの消耗部品で構成されているからです。要は、蛍光灯などと同じく、使用することによって消耗する部品が存在することから、時間や年数を目安に寿命が表されるのです。
それでは以下で、HDDに採用されている消耗部品をご紹介しておきます。

  • プラッタ(ディスク)
    まずはプラッタと呼ばれる部品です。この部品は、全てのデータを保管するための非常に重要な部品になります。下で紹介する部品に関しては、何らかの問題が生じても、交換することで修理が可能なのですが、プラッタは「データを保存している」部品となるので、交換することさえできません。なお、下で紹介するヘッドなどの故障で、プラッタの表面に傷が入ると、その部分のデータは復元すらできなくなる可能性があります。
  • モーター
    モーターは、プラッタを回すための部品です。HDDが動作する際には、毎分数千回転と言う速度で動き続けますので、基本的にそれに耐えられるだけの耐久力を持っていて、故障することはあまりありません。ただ、絶対に故障しないという部品ではないですし、ディスクが動いたり止まったりする、ディスクが回転する時に大きな音が生じるという場合、モーターの不具合の可能性が高いです。
  • ヘッド
    ヘッドは、プラッタにデータを書き込むための部品になります。記録と消去を繰り返し行っている部品ですので、HDDの部品の中でも最も稼働率が高く、故障しやすい場所になります。ヘッドに何らかの不具合が生じた場合、「カチャカチャ」「カチカチ」と言った異音が聞こえ始めます。こういった音が聞こえた時には注意しましょう。放置するとプラッタに傷が入りデータが失われてしまう恐れがあります。
  • 制御基板
    制御基板は、たくさんの電子部品が組み込まれている基板で、HDDの動作を管理する部品となります。HDDの電源が付かなくなった、焦げ付いた匂いがする…なんて場合、基板の故障が考えられます。HDDの電源が入らない時には、何度も電源のON・OFFを繰り返す方がいますが、通電で損傷が拡大してしまう恐れがあるので注意しましょう。

HDDは、上記のように4つの消耗部品が採用されています。そして、どれか一つの部品に不具合が生じた場合、HDDとして正常な動作を行うことができなくなります。

HDDに生じる、障害の種類について

上述しているような、「HDDを構成する消耗部品が故障する…」と言った、寿命と判断されるような故障は基本的に『物理障害』とみなされます。ただ、HDDの故障には、物理障害以外にも『論理傷害』と言うものがあります。

どちらの障害が発生した場合でも、HDD内に保存しているデータが利用できなくなる…と言う状況は同じなのですが、この二つの障害が生じてしまう原因は全く異なります。さらに、どちらの障害なのかによって、対処法も変わってきますので、以下でそれぞれの障害についてもう少し詳しくご紹介しておきます。

HDDの物理障害について

「HDDの物理障害」は、文字通り物理的に機器が壊れてしまっている状態を指しています。例えば、消耗部品が寿命を迎えて動かなくなったり、誤って水没させたりなど、機械的な故障がHDDに発生しているという感じです。物理障害は、主に以下のような事が原因で起きると考えてください。

  • ・パソコン(ハードディスク)を落下させてしまった
  • ・コーヒーやお茶をかけて水没させてしまった
  • ・長年使用していたHDDが突然起動しなくなった(寿命)
  • ・HDDから「カチカチ」と言ったうるさい音がするようになった(寿命)
  • ・HDDから焼け焦げた臭いが出てきた(寿命)

上記のように、不注意で強い衝撃や水没など、故障してしまうような要因を使用者が与えてしまうケースや、上述したHDDの寿命を迎えてしまい、正常に動作できなくなっている状態が物理障害です。外付けHDDやノートPCなど、持ち運びが可能な機器は、気付かないうちに衝撃を与えてしまっているケースが非常に多いので、注意しましょう。

そして、HDDの物理障害については、復元ソフトを利用するといった感じに、自分で対処することはできないと考えてください。保存していたデータの取り出しや復元については、我々のようなデータ復旧専門の業者に依頼しなければいけません。例えば、ヘッドに不具合が生じているケースで復元ソフトを利用してしまうと、プラッタの表面に傷をつけてしまうなど、問題をさらに大きくしてしまう可能性があります。物理障害の場合、HDDを分解して問題のある部品を交換するなどと言った対処が必要ですし、素人にはとてもできるような作業ではありません。そもそも、HDDの分解にはクリーンルームを用意する必要があるわけですので、ホコリが舞っている一般住宅では絶対に分解してはいけませんん。
物理障害は、できるだけ早く問題に気付き、専門業者に相談することがデータ復元の可能性を高めると考えてください。

HDDの論理障害について

それでは次に「HDDの論理傷害」についてもう少し詳しく解説しておきます。論理傷害は、HDDそのものには問題は生じていないという状態で、「誤って自分でデータを削除した」「OSなどのソフトウェアに不具合が生じた」などと言った問題で、データへのアクセス、取り出しができなくなっている状態です。非常に幅広い原因が考えられますが、以下で代表的なものをご紹介しておきます。

  • ・誤って、自分で大切なデータを削除してしまった
  • ・重要なデータを上書きしてしまった
  • ・突然使えていたフォルダやファイルが開けなくなった
  • ・HDDは動作しているのに、OS(オペレーティングシステム)が起動しない
  • ・パソコンを起動したら、Windowsのロゴが表示されたまま停止してその先に進まない
  • ・ブルースクリーンになって何もできない
  • ・外付けHDDを接続したら「フォーマットされていません」「フォーマットする必要があります」のメッセージが表示
  • ・データ書き込み中にPCの電源が落ちてしまってから、該当ファイルが開けなくなった
  • ・ウイルスによってファイルがおかしくなってしまった

上記のような論理傷害の場合、必ずしもデータ復旧業者に作業を依頼しなくても復旧の可能性はあるでしょう。物理障害の場合、部品の交換などをしなければデータの取り出しが出来ないことから、一般の方では対処のしようが無いのですが、軽度な論理傷害の場合、無料の復元ソフトなどでもデータの取り出しが可能な状態にまで復帰させることができるケースもあります。
ただ、無料の復元ソフトは、復元可能な容量に制限があったり、復元レベルが低かったりしますので、自分で復元ソフトを使って対処したいという場合でも、最低限1万円程度の有料ソフトを採用するのがオススメです。注意しておいてほしいのは、復元ソフトは、「どのような障害でも同じソフト、同じ処理をすれば復元できる」と言うものではないという点です。障害の程度や内容によって、採用すべきソフトが変わりますので、自分で対処する場合、「適した復元ソフトがどれなのか?」を選別できる方のみにしてください。

つまり、HDDの問題が、何が原因で起きているのかが自分では判断できない…と言うケースでは、下手に自分で対処せずに、我々のような専門業者に相談するようにしてください。

まとめ

今回は、パソコンのHDDについて、皆さんがあまり意識していない「HDDは消耗品」だという事実について解説してきました。この記事の内容を見れば、HDDは数年使用すれば「いつ不具合を生じてもおかしくない」機器なのだということがよくわかっていただけたのではないでしょうか。こういった特徴があることから、データ復旧業者やパソコン修理業者と言うのは、「データは小まめにバックアップを取りましょう!」とアドバイスをしているのです。

ちなみに、HDDの故障についても、物理障害と論理傷害と呼ばれる障害の種類が存在します。最近では、ネットで検索すれば無料の復元ソフトが簡単にDLできるような時代になっていますし、HDDに問題が生じた時でも、そういった復元ソフトを使用して自分で対処しようとする方が多くなっています。しかし、無料のソフトが全ての不具合に対処できるわけはなく、本当に軽度な問題にしか使えないと考えておいた方が良いですよ。正直な話、無料ソフトにウィルスを仕込まれているリスクの方が圧倒的に高いと思えるほどで、基本的には自分で対処するにしても有料のソフトを選ぶべきだと考えてください。

さらに、「不具合の原因」や「物理障害か論理傷害なのか?」が判断できていない場合、絶対に自分で対処しようとしてはいけません。物理障害に復旧ソフトを使ってしまうと、その行為がとどめとなって、全てのデータが取り出せなくなってしまう…なんて恐れもあるのです。現在、HDDへのアクセスができなくなった、パソコンが正常の起動しなくなった…などと言う問題が生じているお客様がいれば、お気軽に弊社までお問い合わせください。