大切なデータを保護するための基礎知識!HDDを取り扱う際の注意点について!

仕事でもプライベートでも、今の時代さまざまな電子機器を利用するようになっており、各種データを保存するための記憶媒体の重要性がどんどん高くなっています。例えば、今の時代、スマートフォンなどの携帯電話は日常生活に欠かせないアイテムになっていますが、これらの小さな機器にも膨大な量のデータが保存されていることから、万一の故障時には本当に困ってしまいます。

そして、意外に見落とされがちなのですが、さまざまなデータを保存してくれる記憶媒体にもいくつかの種類が存在しており、何を使っているのかによって取り扱い時の注意点が異なってくるという点です。例えは、毎日のように使用しているパソコンについても、データの保存先は、HDDであったりSSD、USBメモリなど、さまざまな機器があります。そして、こういった機器は、非常に繊細な構造をしていることから、ちょっとした衝撃を与えただけで、保存していたデータが失われてしまう…なんてことになる場合があるのです。

そこでこの記事では、大切なデータを保護するための基礎知識として、記憶媒体ごとの取り扱い方をご紹介していきます。今回は、まず第一弾として、HDDに保存したデータを保護するための注意点をご紹介します。

HDDのデータ保護をするための基礎知識

パソコンの記憶媒体として、最もメジャーと言っても過言ではない機器がHDD(ハードディスク)です。HDDは、磁性体を塗布したディスクを一定間隔で重ね合わせた構造になっており、スピンドルモーターによってディスクを高速回転させ、磁気ヘッドを使ってデータの読み書きを行う記憶媒体になります。

つまり、HDDは、データを書き込みする、もしくは読み出すといった動作を行う際、物理的に動作する機器であることから、HDDそのものを落下させるなど、強い衝撃を与えるなど関係なく、通常使用中に突然、故障してしまうことで障害が発生する危険もあるのです。もちろん、HDDの使用環境は使用者によって全く異なりますので、故障の原因はそれぞれ異なると思いますが、衝撃を与えるなどの明確な原因が無いケースでは、経年劣化による部品の消耗や、温度・湿度の急激な変化が要因となっている場合が多いです。

一般的に、HDDの耐久年数は約5年間と言われていますが、同一メーカーの同一機種であっても、個体差が生じてしまうことが多く、1~3年程度で故障してしまう場合も珍しくありません。あまりイメージが無いかもしれませんが、「HDDは消耗品」と言う扱いですので、通常利用しているだけでも故障する可能性があり、完全に故障を防止することは不可能な機器です。つまり、大切なデータを保護するためには、「HDDはいつ故障してもおかしくない」と言う認識を持っておく必要があるのです。
そして、この認識を持ったうえで、大切なデータを保護するために押さえておくべきポイントをご紹介していきます。

HDDの取り扱いについて

まずは、HDDの取り扱いについてです。上述しているように、HDDはディスクが高速回転し磁気ヘッドを使って読み書きする仕組みですので、機器内部では常に部品が動作しています。つまり、SSDやUSBメモリなど、内部部品が動作しない記憶媒体と比較すると、故障確率がどうしても高くなってしまう訳ですね。

なお、一昔前のHDDは、非常に壊れやすいというイメージがあったかもしれませんが、部品は進化し続けており、現在では、耐衝撃サスペンションや、衝撃を感知してヘッドが退避する機構などの工夫が凝らされており、故障に強いHDDが目指されています。ただ、こういった故障防止の機構が搭載されたとしても、HDDの動作中に衝撃を与えてしまうと、致命的なダメージを機器に与えてしまうことになりかねません。ちなみに、HDDに衝撃を与えてしまうと、その場で故障と言う症状が出なくても、後日、データにアクセスできなくなる…などと言った感じに、遅れて問題が出るケースも多いです。HDDは、外付けなど、持ち運びができるタイプを利用する機会も多いのですが、出来るだけ衝撃を与えないように置き場所・置き方に注意してください。

なお、弊社のようなデータ復旧業者に来る問い合わせでは、USB3.0対応の外付けHDDなどで、ケーブル側のUSB差込口が基板から外れてしまっていて、パソコンに接続してもHDDを読み込まない…なんて事例が増えています。これは、HDDからUSBケーブルを取り外す際、勢いよく抜いてしまうことで、差込口に負荷がかかってしまい破損してしまっているのが原因です。この故障に関しては、データの取り出しなどは簡単にできるのですが、普段から優しく抜き差ししていれば、外部業者に作業してもらうコストがかからなくなるわけですので注意しておきましょう。

HDDの異音について

HDDのデータ保護において、特に注意しておきたいのはHDDから聞こえてくる異音に注意するというポイントです。パソコンで何らかの作業中、HDDから普段は聞こえない異音が聞こえる…と言った場合、内部部品同士が異常接触しているなど、不具合が生じている可能性があります。こういった状態で動作(通電)させると、記録面(プラッター)を磁気ヘッドが傷つけてしまい、データが読み出せなくなってしまう…と言った最悪な状況を招いてしまう恐れがあります。

したがって、HDD付近からいつもとは明らかに違う異音が聞こえるという場合、すぐにパソコンの電源を落としましょう。HDDから異音が聞こえるという症状は、物理的に機器が故障している可能性が高いことから、そのまま通電してしまうと、障害が悪化していく一方です。よくあるのは、「いつもと違う音が聞こえるから、念のためにバックアップを取ろう…」などと考えて、HDDにさらなる負荷をかけてしまうという行為です。これを行ってしまうと、最悪の場合、プロのデータ復旧業者でもデータの取り出しができなくなってしまう恐れがあります。したがって、HDDから異音が聞こえる場合は、すぐに電源を切り、専門業者に相談しましょう。

なお、HDDは、内部部品が物理的に動作をする記憶媒体ですので、動作する時には必ず音が生じてしまうものです。つまり、「音が出ている」と言うだけで故障と判断するのではなく、「いつもとは違う音」が出ている場合は故障の危険があると考えましょう。
危険な異音の種類について過去に別記事でご紹介していますので、そちらの記事もご参照ください。

関連記事:ハードディスク(HDD)から異音が…原因と適切な対処法とは?

HDDは自分で開封してはいけない

HDDに何らかの問題が生じ、大切なデータが取り出せなくなった時に、稀にですが自分で何とか対処しようと考えてしまう方がいます。これは、我々のようなデータ復旧業者に作業を依頼すると、非常に高額な費用がかかってしまう…と言うことを嫌い、自分で何とかしようと考えるのだと思います。しかし、このような考えで、何の準備もせずに、HDDを開封して作業すると、その時点で機器に致命的なダメージを与えてしまうと考えてください。

HDDは、非常に繊細な機器であり、小さなチリやホコリがついただけで、データの読み取りができなくなってしまうのです。したがって、我々のようなデータ復旧業者は、HDDの開封作業が必要な場合、専用のクリーンルーム内で作業を行っているのです。一般的な住宅であれば、HDDの開封ができるような環境が整っているわけではありませんし、安易に開封作業をしてしまうと、その行為によってデータ復旧を不可能にしてしまう恐れがあります。
なお、職場に行けばクリーンルームを使わせてくれるなど、特殊な環境にある方でも、HDDの内部構造に関してよほど詳しい知識が無いのであれば、自分で開封作業をするのはオススメできません。HDDの基盤は、それぞれ固有の情報を持っており、その情報をもとに制御を行うような仕組みになっています。そして、この制御基板は、生産ロットや規格によって全く異なりますし、さらに型番が同じ機器でもファームウェアが異なる…なんてケースが多いことから、知識が無い人が基盤を交換して動作させることで、致命的な誤作動を起こしてしまうリスクがあるのです。

HDDを開封して、データを取り出すといった作業については、非常に高度な技術と知識が必要になりますので、大切なデータの復旧であれば、専門家に依頼すべきです。

HDDが水没した時の対処について

HDDが何らかの理由で水没してしまった時の対処については、多くの方が間違った認識を持っていると言えます。HDDが水に濡れた時、濡れた状態のまま動作させると、シュートする危険があるのでNGだということは誰もが理解していると思います。それでは、飲み物をこぼしてHDD内にまで水分が侵入してしまった時、どのような対処が正しいと思うでしょうか?

ほとんどの方は「完全に乾燥させてから使用する」と答えるのではないでしょうか?そして、この当たり前と考えられている行為が間違った対処法なのです。

HDDが水没してしまった時に、水濡れの度合いなどにもよるのですが、そのまま乾燥させてしまうと、内部に水垢が残ってしまい、誤作動を起こしてしまう危険があります。そして、誤作動のせいで、二度とデータ復旧ができなくなってしまう…なんて可能性もあるのです。さらに、HDD内部に侵入したのが単なる水ではなく、ジュースやコーヒーなど、糖分を含んでいる場合、より危険だと考えてください。
HDDが水没してしまった際、安全にデータを取り出すためには『乾かさない』と言うことが大切です。もちろん、HDD内部にまで水分が侵入していないケースでは、そのまま乾燥させればよいのですが、内部に侵入していると疑われる場合、乾燥しないように対策を施し、我々のような専門業者に持ち込んでください。郵送でデータ復旧を依頼する場合は、湿ったタオルで機器をくるみ、ジップロックのようなものに入れて郵送すれば、乾燥させることなく業者の手元に送ることができるはずです。

パソコンに水をこぼした時などには、焦ってドライヤーなどで乾かそうとする方がいますが、絶対にNGだと思ってください。ドライヤーは、高温の風を当てることでダメージを与えるだけでなく、奥深くにまで水を侵入させてしまう原因になるので、症状を悪化させてしまうリスクの方が高いです。

まとめ

今回は、さまざまな記憶媒体の中でも、HDDに保存しているデータを保護するために押さえておきたいポイントをご紹介してきました。近年では、仕事上の書類などはもちろん、お子様の成長記録などのプライベート情報についても、電子データとしてHDDなどに保存する方が多くなっています。その一方で、記憶媒体の取り扱いを間違ってしまい、失ってはいけない大切なデータにアクセスできなくなってしまった…と言った問い合わせが年々増えているのです。

データとして保存していれば、必要な時にすぐに取り出せますし、紙で保管する時のように広いスペースなども必要なくなるというメリットが得られます。しかし、データとして保存していれば、失うリスクがなくなるから安全だという考え方は間違っており、ちょっとした機器の取り扱いミスにより、大切なデータを失ってしまう…なんてことも普通にあるのです。

この記事では、記憶媒体の中でも、利用している方が非常に多いHDDに関する取り扱い注意点をご紹介していますので、普段から注意しておきましょう。なお、HDDに関しては、部品の摩耗などによって突然故障してしまう…なんてケースもあるので、注意していたとしても、データの読み書きができなくなってしまうこともあります。そのような場合には、お気軽に弊社までお問い合わせください。