データ復旧

大切なデータを保護するための基礎知識!パソコン(OS)全般の注意点をご紹介します。

今回は、パソコンのデータを保護するための基礎知識をご紹介します。以前、HDDやSSD、USBメモリなど、パソコン周辺の記憶媒体の取り扱い注意点をご紹介しましたが、我々のようなデータ復旧業者への相談の中には、機器の故障や人為的ミスによるデータ消去以外にも、フォルダ構造や領域情報の破損による障害で大切なデータが失われてしまったという相談は多いです。

一般的に、データの管理は、ブートやパーテーション情報をつかさどるMBRと呼ばれる管理部分や、各パーテーション単位のファイルシステムの制御部分で行われます。しかし、OSやプログラムのクラッシュなどが発生してしまうと、その時点で作業中のファイルだけでなく、MBRやパーテーションを巻き込んで破損してしまうケースがあり、データ復旧業者に相談するしかなくなるわけです。実は、パーテーションやフォルダが破損してしまうと、その配下にあるデータ全てが正常に読み出しできなくなりますので、業務に使用しているパソコンなどであれば、非常に困った事態になってしまうのです。

そこでこの記事では、こういったデータ障害を引き起こさないために皆さんがおさえておくべきポイントをご紹介します。

パソコン(OS)全般の取り扱い注意点

それでは、パソコン全般の取り扱い注意点について解説していきます。パソコンは、普通に使用しているだけであれば、なかなか故障しない機器であることは間違いないのですが、そういっても消耗部品は多く使われていますし、明確な弱点を持つ機器ですので、いくつか注意しておかなければならないポイントが存在します。

ここでは、パソコンに保存しているデータが突然失われないようにするため、皆さんに押さえておいてほしいポイントをご紹介していきます。

①OSとデータ領域は分ける!

OSに何らかのトラブルが生じてしまうと、パソコンが正常に起動しなくなるというトラブルが発生します。このような場合、当然パソコン内に保存しているデータの取り出しに困ってしまうことでしょう。
なお、このようなトラブルが発生した時でも、大切なデータを保護することを考えた場合、OSとデータ領域を分けておくことが大切です。OSとデータ領域を分けておけば、万一システムクラッシュが発生した時でも、データが消失してしまうリスクが低くなるのです。
なお、データ領域とOSを分けておけば、ユーザーデータの保存場所が明確になりますので、小まめにバックアップを取る際にも便利です。

②データ移動時の注意点

パソコン内に保存しているデータの移動やコピーは、パソコンそのものに負荷のかかる作業です。そして、データの移動中に何らかのエラーが発生してしまうと、データを失ってしまうリスクがあるのです。

例えば、データを別のバックアップ機器に移動させる場合、切り取りでデータを移動させる方がいるのですが、この行為は、元のデータを消去して、他の場所に新しくデータを作成するという作業になります。つまり、この方法でデータの移動中に、何らかの障害がパソコンに発生して移動に失敗した時には、元の機器にも移動先の機器にも中途半端なデータしか残っておらず、データが失われてしまう恐れがあるのです。したがって、バックアップ機器などにデータの移動を行う場合、切り取り処理ではなく、データコピーによる移動を行うようにしましょう。コピーであれば、途中でデータの移動に失敗したとしても、元の場所にデータが残りますので、データそのものが失われてしまうリスクは少なくなります。

③パーテーション変更やアプリインストール前の注意点

HDDの大容量化が進んでいる現在、不良セクタが含まれるリスクが増大していると言われています。特に注意しておきたいのは、データが実際に書き込まれることが無く未使用状態のままなのに、エラーが隠れている…と言うパターンです。
このような場合、パーテーションサイズの変更や大きなサイズのアプリケーションをインストールした際に、初めてエラーが顕在化してしまい、潜在的に潜んでいたエラーのせいで、その他のデータ全てが読み出せなくなってしまう…と言った問題が起きてしまうことがあるのです。

このような問題については、通常使用中になかなか気付くことができない地雷のようなものですので、対策としては、パーテーションの変更やアプリをインストールする前に、失っては困る重要データのバックアップを取っておくしかないと考えましょう。

④パソコンの弱点は熱と湿度

パソコンには明確な弱点が存在しているのですが、それが『熱』と『湿度』です。

ただ、熱に非常に弱いという特徴を持つパソコンなのですが、使っているとどうしても熱を発してしまいやすい構造をしています。そのため、パソコン内部から発生した熱をきちんと排熱・換気ができるような設計をされています。
こう聞くと「それなら大丈夫では?」と考えてしまう方が多いのですが、パソコンの設置場所などが原因となり、排熱や換気が十分にできない状況になっているパソコンが多いのです。例えば、デスクトップパソコンは、足元に本体を設置する方が多いのですが、この時に壁に排気口を向けて設置し、熱が排出できなくなっているという状況はよく見かけます。他にも、パソコンのまわりに外付けHDDを並べて置いているという状況もよく見かけますが、この場合外付け側も熱を発生させますので、その周辺全体に熱がこもってしまい、十分な冷却効果を得られず、故障してしまう確率が高くなってしまうのです。

他にも、何年も使用しているパソコンなどは、内部の掃除を怠ってしまい、ファン周りにホコリが溜まって熱を逃がせなくなっているというケースも多いです。パソコンは、皆さんが考えている以上に、熱や湿度で故障してしまいますので、設置場所には十分注意してください。

⑤チェックディスクやデフラグのやり過ぎも良くない

チェックディスクやデフラグは、パソコンにちょっとした問題が生じた際の対処法として有名です。チェックディスクは、不良セクタを修復するもので、デフラグはファイルのセクタ上の並びを整理するものと言われており、パソコンの動作を改善する手法などとして万能な対策と考えられています。しかし実は、チェックディスクやデフラグは万能なものではなく、時にはこれが原因でパソコンに問題が生じてしまうことがあるのです。

例えば、チェックディスクは、不良セクタの修復をしてくれる非常にありがたい存在と言う認識があると思うのですが、正常なデータを別のデータに書き換えてしまうなど、ファイル情報を上書きしてしまい、データが失われてしまうリスクもあるのです。なお、データが上書きされてしまうと、プロのデータ復旧業者でも、復旧が非常に困難になってしまいます。チェックディスクやデフラグは、そこまで頻繁にするものではなく、行うにしても、バックアップを取ってから実施するのがオススメです。

⑥データが大切ならリカバリを行ってはいけない

パソコンが正常に起動しなくなった…などと言った場合、OSを再インストールをするというリカバリ作業を検討すると思います。リカバリ作業を行えば、工場出荷時の状態に戻すことができますので、物理的な故障でなければ、正常な起動を取り戻すことができます。

しかし、リカバリ作業と言うのは、OSだけでなく、もともと保存していたデータや自分でインストールしたアプリケーションなどに関しても工場出荷時にまで戻します。つまり、リカバリ作業を行ってしまうと、大切なデータなどもすべて失われてしまうのです。たまに、自分でリカバリ作業を行った後のパソコンについて、データ復旧の相談をしてくる方がいるのですが、リカバリを行っているパソコンは、以前のデータ部分に新しいデータを上書きして、工場出荷時に戻します。このような状況になると、以前のデータを復旧させることはほぼ不可能となります。

つまり、パソコンが正常起動しなくなった時、保存していたデータが重要なのであれば、リカバリ作業を行う前にデータ復旧業者に相談しなければならないと考えてください。

なお、リカバリ後にデータを失ったことに気付いた…と言う場合、ひとまず何もせずにデータ復旧業者に連絡してみましょう。リカバリ後に何の操作も行っていないという場合、以前の状態のデータの痕跡が残っている可能性があり、完全に上書きされた部分以外のデータは取り戻せる可能性があります。と言うのも、リカバリ前のデータとリカバリ後のデータを比較すると、前者の方が圧倒的にデータが多いわけですので、上書きされていない部分が残っている可能性があります。したがって、その上書きされていない部分のみはデータの復旧が可能な場合があるのです。

⑦システム復元はデータ復旧の機能ではない

近年のOSは、システム部分のバックアップポイントを作っておくことで、いざという時にその時の状態にまで書き戻す機能が搭載されています。これが所謂「システム復元」と呼ばれるのですが、その名称から機能を拡大解釈してしまっている方が意外に多いのです。

システム復元と言う機能について、事前に作っておいた復元ポイントの状態に戻してくれるという感じに、大まかに理解している方の中には、誤ってデータを消してしまった時に、復元ポイントに戻せば、その時点にあったデータも復活するという理解をしている方がいます。しかし、これは間違いです。システム復元は、更新作業などでシステムファイルが壊れてしまった、新しくインストールしたアプリケーションのせいで動作不良が起こるといった時に、正常に動作していた時点のシステムファイルの状況に戻すだけです。つまり、データに関しては、この作業に何の関係性もないので、データが復元されることはないのです。しかも、この作業を行ってしまうと、データの上書きが起こってしまうので、復旧できるはずだったデータまで取り戻せなくなる可能性が高いです。

まとめ

今回は、パソコンに保存しているデータを保護するために押さえておきたい基礎知識第4弾をご紹介してきました。パソコンのデータは、HDDやSSDなど、内臓記憶媒体に保存されていることから、記憶媒体の取り扱いに注意しておけばデータを失うことはないと考えている方も多いかもしれませんね。しかし、この記事でご紹介したように、パソコンの使い方を少し間違ってしまうだけでデータが失われてしまう可能性もあるのです。

特にデフラグなどは、パソコンの動作を改善する目的で行われるケースが多いので、この機能を使うことでデータに問題が生じる可能性があると聞くと驚きかもしれませんね。ちなみに、デフラグは、あくまで過度な頻度で行わない方が良いというだけで、適切な頻度で行うのであれば、むしろ行っておくべきと考えてください。なお、その時にも、重要なデータぐらいはバックアップを取っておくのがオススメです。

サポート 馬渕

パソコン修理、データ復旧を10年以上させていただいております。
3000件以上の訪問実績があり、様々な法人様のオフィス環境改善に努めてまいりました。お困りごとがありましたらお気軽にご相談ください!