データ復旧

データ復旧が困難だと考えた方が良い症状や障害をご紹介します。

今回は、プロのデータ復旧業者でも「これはちょっと復旧が難しいかも…」とご依頼をお断りするケースが多い症状や障害をご紹介していきたいと思います。

データ復旧業者は、パソコンの内臓HDDや外付けHDD、USBメモリやSDカードなどの小型記憶媒体について、何らかの障害で、大切なデータにアクセスできなくなった…、間違って削除してしまったなどと言った場合、元のデータを取り戻してくれる非常に心強い業者のことを指しています。

ただ、さまざまな記憶媒体の障害に対応することができるデータ復旧業者でも、100%絶対にデータの取り出しが可能かと言うとそういうわけではないのです。例えば、HDDにドリルで穴をあけたなんて状態になると、さすがにデータを取り戻すことなどできません。そして、一見すると簡単にデータを取り戻せそうと考えてしまいがちな症状でも、依頼を断られてしまうケースがあるのです。
この記事では、技術力が高いデータ復旧業者でも、データの復旧が非常に困難…と言わざるを得ない、いくつかの症状・障害をご紹介していきます。

データ復旧業者でも困難な障害とは?

皆さんは、技術力の高いデータ復旧業者であれば、記憶媒体にどのような障害が出ていてもデータを復旧してくれると考えているかもしれませんね。データ復旧業者のWebサイトなどには、「データ復旧率98%!」などと記載されていることも多いですし、データ復旧に失敗するケースは非常に稀なことなのだと考えてしまいがちです。

しかし、このような表記に関しては、あくまでもデータ復旧業者が「これなら対処可能だ!」と考えてデータ復旧を引き受けた事例の復旧率となるので、高くて当たり前なのです。実は、データ復旧業者は、実際に作業を引き受ける前に、機器の事前調査と見積りを必ず行いますので、この時点で「復旧は難しいな…」と判断するような症状の場合、データ復旧作業そのものをお断りするのです。そのため、Webサイトなどに掲載されるデータ復旧率が異常なほど高くなるわけですね。

それでは、どうしても取り戻したいデータがあったとしても、データ復旧業者に作業する前から断られてしまう症状とはどのようなケースなのでしょうか?ここでは、プロのデータ復旧業者でも、データ復旧が非常に困難だと判断する代表的な事例をご紹介しておきます。

ウィルスによってデータを上書きされてしまった

ほとんどの方は、パソコンに何らかのウイルス対策ソフトを導入していると思います。しかし、いつの間にか期限が切れていたり、動作を止める設定などをしてしまい、パソコンがウイルスに感染してしまう…なんてケースは珍しくありません。また、ウイルスは現在でも急速に進化していますので、対策が間に合わず感染してしまうケースも考えられます。

そして、こういったパソコンのウイルスの中には、パソコン内のデータを書き換えてしまうものがあるのです。例えば、2010年頃に流行したコンピューターウイルスには、パソコン内のあらゆるファイルをタコやイカのイラストに置き換えるなんてはた迷惑なものが存在します。さらに、近年社会問題にもなったランサムウェアと呼ばれるウイルスは、感染してしまったパソコンについて、内部に保存しているファイルが暗号化されてしまい、データを取り戻すための身代金を請求されてしまうといった症状が出ます。当然こういったウイルスに感染してしまうと、もともとあったデータは書き換えられてしまいますので、データ復旧業者の助けが必要になるのです。

ただ、こういった類のコンピュータウイルスに感染してしまうと、元のデータの痕跡が一切残らないように上書きがされてしまうため、データの復旧は不可能になります。

ポイント

コンピューターウイルスにはさまざまなタイプが存在しており、上記のようにデータの上書きなどを行わないウイルスも存在します。例えば、パソコンが正常に起動できなくなる…、勝手に広告が表示されるといったものです。このような、データの上書きを伴わないウイルスに感染した場合であれば、データの取り出しは可能です。

データの削除後に上書きした場合

データ復旧は、もともとデータが保存されていた場所に上書きが起こると基本的に古いデータを復旧させることは難しいと考えてください。

例えば、「今後使うことはない」などと考えて、HDDなどからデータを削除し、その後、メディアの容量一杯までデータを書き込んだ場合、古いデータは新しいデータに書き換えられていますよね。そして、このような状況で、古いデータを取り戻したいとなっても、過去のデータの痕跡を見つけることができないので、復旧することは不可能な訳です。

一般的に、データ復旧業者は「データの削除後、もともと書き込まれていたデータ以上のデータを新たに書き込んだ場合、古いデータ領域が完全に上書きされるので復旧できなくなる」と判断します。

ポイント
同じようなケースでもデータが取り戻せるケースがあります。例えば、もともと十分に空き容量があった記憶媒体について、後からデータを保存したとしても、全く別の場所にデータが書き込まれて上書きがおきないケースがあるのです。この場合は、データを取り戻せる可能性があるので、データ復旧業者に相談してみると良いでしょう。

パスワード機能付きUSBでパスワードを何度も間違える

USBメモリは、ポケットなどに入れて持ち運び可能なほど小型で、それなりに大きな容量を持つものもあるので、データの移動に非常に便利な記憶媒体です。しかし、このUSBに関しては、外出先で無くしてしまう…なんてことも珍しくありません。社外秘の重要データを保存しているUSBを外出先で落としてしまう…なんてことも考えられますので、便利な反面、情報漏洩リスクが付きまとってしまう点がデメリットです。

しかし近年では、こういったUSBに存在するデメリットを解消するため、パスワード保護が可能なUSBが登場しています。要は、パソコンなどに接続した際、パスワードを打ち込まないとデータにアクセスできない使用になっていることから、落としたりしても第三者に情報を抜かれる心配がないという点がメリットになります。非常に便利で安全なUSBのように思えますが、実は、このタイプのUSBの中には、規定回数以上、パスワードを間違ってしまうと、データを保護するために完全にデータを削除してしまうものがあるのです。そして、パスワード間違いでデータを完全削除された場合、データの復旧は不可能です。

ポイント
USBの故障などで、「パスワードが入力できない…」なんて症状の場合、データを復旧できる可能性があります。この場合、パスワードを入力できるように修理するといった対処になるので、パスワードは覚えておく必要があります。

メディアの完全破損

プロのデータ復旧業者でも基本的にデータの復旧が難しいと判断するケースは、メディアそのものが完全に破損しているという場合です。例えば、上述したような、HDDにドリルで穴をあけるといった行為をされると、さすがにデータの復旧は難しくなります。

また、こういった故意に壊した以外で考えると、「microSDカード」の破損ケースが非常に多いように思えます。microSDカードは、SDカードをさらに小型にした記憶媒体なのですが、余りにも小さなメディアになる事から、外装のプラスチックと記憶チップが一体になっているのです。そのため、通常のSDカードと同じような雑な扱いをしてしまうと、本体にひびや傷が入ってしまいます。この場合、記憶チップそのものが破損されていると同じですので、データの復旧が非常に難しいのです。
他には、CDやDVDなど、光学ディスクが割れてしまったというケースでは、記憶面の読み取りができなくなることから、データの復旧は不可能です。

ポイント
SDカードについては、外装が割れたり、ひびが入ったりしても記憶チップさえ無事であればデータの復旧は可能です。またUSBに関しては、外装部分は単なるデザインや記憶チップを保護するためのものですので、落下させてバラバラになった…なんて状態でも、記憶チップが無事ならデータの取り出しが可能です。

SSDで削除したデータの復旧

近年では、容量当たりの単価が落ち着いてきたこともあり、パソコンに内蔵される記憶媒体としても、SSDが採用されるケースが増えています。SSDは、HDDのように物理的に動作する部品が無いので、データの読み書きがより安全で高速になるという点がメリットと考えられています。

ただ、SSDは、機械的な特性から一度削除したデータを復旧することが非常に困難な機器と考えておきましょう。と言うのも、SSDは、データを書き換える際は、消去したうえで新規のデータを書き込むという特性を持っています。したがって、データを退避させる領域が必要になり、使い続けていくと、徐々に退避用の領域を確保するのが難しくなって速度低下を起こしたりするのです。こういった、速度低下を起こさないため、SSDにはTrim命令と呼ばれる、空き領域をあらかじめ作成しておく機能が搭載されています。ただ、この機能が働いている場合、SSD上でデータを削除した場合には、Trim命令によりデータの痕跡まできれいさっぱり消えてしまうことになるのです。こういった機能があることから、SSDでのデータ復旧は非常に難しいと言われるのです。

なお、Trim機能に関しては、使用者が意図的に機能を停止させなければ「有効」になっていますので注意しましょう。

ポイント
ファイル形式がNTFSでない、USB接続などの外付けSSDについては、Trim命令が有効にならないので、データを削除したとしても復旧させられる可能性があります。

まとめ

今回は、データの重要度が高くなっている近年、非常に心強い味方となってくれるデータ復旧業者についてご紹介してきました。データ復旧業者は、何らかの理由で記憶媒体が故障してしまった…、誤って重要なデータを削除してしまった…なんて場合、高度な技術でデータを取り戻してくれる業者を指しています。皆さんも、過去にデータ復旧業者のお世話になったことがあるという方も多いのではないでしょうか。

ただし、データ復旧業者については、データのことであれば、どのような問題でも解決できると考えてしまう方がいるのですが、さすがにそれは拡大解釈だと言えます。この記事でご紹介したように、プロのデータ復旧業者であっても、データ復旧が不可能なケースと言うのも珍しくありません。特に、パソコン周りの記憶媒体としてSSDが出回るようになった近年では、データ復旧の難易度が急激に高くなっており、相談した時点で作業を断られてしまうケースも多くなっています。

大切なデータは、データ復旧業者のお世話になるような状況が来ない方が絶対に良いわけですので、記憶媒体は大切に取り扱うようにしましょう。

サポート 馬渕

パソコン修理、データ復旧を10年以上させていただいております。
3000件以上の訪問実績があり、様々な法人様のオフィス環境改善に努めてまいりました。お困りごとがありましたらお気軽にご相談ください!